AIサーバー電源、ロボット・無人ビークル用モーター、低軌道衛星に注力し、先端技術の産学共創拠点を構築
2026年10月14日
【台南発】生成AIの急速な発展に伴い、AIデータセンターの電力需要が継続的に増加する一方、人型ロボットや低軌道衛星(LEO)などの実用化も加速しています。電源システムは高電力密度、高周波化、高効率化へと進化しており、部品から電源モジュールに至るまで、製品の性能と信頼性の向上は、もはや設計だけに左右されるものではありません。機能や品質の検証には、高精度な測定機器と実践的なエンジニアリング能力が不可欠となっています。
先端技術産業における高度なエンジニア人材と精密測定能力へのニーズに応えるため、国立成功大学(NCKU)とMICROTEST益和股份有限公司は、2026年10月14日、「精密測定センター」を共同で設立しました。当日は、測定機器の寄贈式および産学連携に関する覚書(MOU)の締結式が執り行われました。産業界の技術と学術研究のリソースを融合させることで、高度な電子測定機器と実践的な応用技術を大学の教育・研究現場に導入し、学生が産業界の研究開発の実務に触れる機会を創出するとともに、分野横断的な測定・分析能力とシステム検証能力を備えた人材の育成を目指します。
今回の連携は、単なる設備やリソースの提供にとどまらず、産学連携を技術の共創と人材の共同育成という新たな段階へと発展させるものです。「精密測定センター」の共同設立を通じて、成功大学とMICROTEST益和は、先端電子測定技術とその応用に関する交流を推進し、学術研究と産業界の実務との連携を強化します。さらに、研究成果を産業界の実際のニーズにより近づけるとともに、産業界で培われた経験や実践的な技術を大学教育に取り入れ、産学連携と人材育成のさらなる深化を図ります。

AIデータセンターの電源高度化、精密測定が高電力電源システムの重要な技術に
産学連携で次世代電源技術に対応、実践的な産業人材の育成を強化
AIデータセンターがMW(メガワット)級の高出力電源へと進化する中、システム全体の設計アーキテクチャは、800V高電圧直流(800V HVDC)やソリッドステートトランス(SST)へと移行しつつあります。電源アーキテクチャも、前段の高電圧給電から後段のGPU向け大電流給電まで拡張され、磁性部品に求められる電力密度や電流ストレスも継続的に高まっています。
SSTに使用される高周波トランスやインダクタから、GPU電源供給アーキテクチャに採用されるTLVR(Trans-Inductor Voltage Regulator)インダクタに至るまで、これらの重要な磁性部品の飽和電流および温度上昇電流は、電源システム全体の効率と安定性に直接影響します。そのため、実際の動作条件下で測定・検証を行い、高出力・大電流の環境においても磁性部品の電気的特性と熱安定性が維持され、十分な設計マージンが確保されていることを確認する必要があります。
産学連携の一環として、MICROTEST益和はインダクタの磁気飽和特性および温度上昇電流特性を測定・検証する試験設備を成功大学に寄贈します。これにより、成功大学電機系の学生は、MW級AI電源やソリッドステートトランス(SST)など、次世代電源技術への理解を深めることができます。
また、磁性部品の測定・検証に関する産業界の手法を教育・研究に取り入れることで、学生が実際の測定や分析を通じて、電源システムおよび重要部品に求められる性能要件を理解できるよう支援します。理論と産業界の実務を結び付けることで、産業の発展ニーズに応える実践的なエンジニアリング能力の育成を目指します。

高性能モーター技術に注力、ドローン・無人ビークル分野における産学連携と実践教育を深化
モーター設計から実機検証へ、産学連携で無人ビークル分野を担う人材を育成
ドローンが「高積載量・長時間飛行・高機動性」へと進化する中、ドローンの飛行、無人車の走行、さらには将来のスマートモビリティの稼働において、動力源となるモーターは極めて重要な役割を担っています。モーターが安定して動作し、十分な出力を発揮できるかどうかは、設計だけでなく、部品の製造から完成品の組み立てに至るまでの工程品質にも大きく左右されます。
国立成功大学(NCKU)は、長年にわたりモーター設計、駆動制御、メカトロニクス統合などの研究に取り組んできました。無人ビークル分野においても、センシング、位置推定、意思決定、制御などの技術研究で成果を積み重ねています。また、理論と実践の融合を重視し、教育と研究を通じてモーターおよび電気工学分野の人材育成に取り組んでいます。
モーターは設計から実際の稼働に至るまで、さまざまな試験を経る必要があります。ステータ巻線はモーターの重要な中核部品の一つです。製造工程の不備によって絶縁不良、コイル間の異常な短絡、インダクタンス値の偏差などが発生すると、モーターの動作特性や寿命に影響を及ぼす可能性があります。特にドローン用モーターに性能異常が生じた場合、飛行の安定性やシステム全体の安全性に直接影響するおそれがあります。
完成したモーターの性能と品質は、ステータ巻線の品質から始まります。今回の産学連携では、成功大学と益和(MICROTEST)が産業界の実務を教育現場に取り入れ、学生がモーターの設計原理を学ぶだけでなく、実際の試験方法、測定データの意味、異常発生時の判断方法まで理解できる機会を提供します。
益和のモーターステータ一体型統合試験システムを教育に導入することで、成功大学は学生にモーター巻線の耐電圧試験、絶縁抵抗試験、コイル間短絡試験、インダクタンス測定を実際に体験させます。産業界で実際に使用されている試験方法を授業に取り入れ、装置の操作から測定、データの読み取り・分析までを通じて、モーターの試験・検証に関する実践的な能力を段階的に養います。
将来、ドローン、無人ビークル、ロボット、その他のモーター関連産業に進む学生が、早い段階から実際の産業試験プロセスに触れることで、設計・測定・検証を一貫して理解し、産業界のニーズに応えられる技術者へと成長することを目指します。
ロボット産業のニーズに対応、産学連携でロボット用モーターの測定能力を強化
人型ロボットの関節駆動からスマートロボットの高精度な動作制御に至るまで、モーターの性能および電気的特性の試験は重要な技術要素となっています。モーターは巻線工程から最終製品への搭載に至るまで、安全規格に基づく耐電圧試験・絶縁試験、コイル間短絡試験、インダクタンス測定、直流抵抗測定などの重要な電気試験を実施し、巻線の品質が設計仕様と安全要件を満たしていることを確認する必要があります。
MICROTEST益和は、モーターステータ試験システムの寄贈を通じて、産業界におけるモーター巻線の検査技術と実務経験を大学の教育現場に導入することを目指しています。これにより、学生はモーターの設計原理を理解するだけでなく、安全規格、絶縁性能、コイル間短絡など、ステータ巻線の電気的特性に関する具体的な検証要件も習得できます。本取り組みを通じて、産学交流をさらに深め、実践力を備えた人材の育成を推進します。
低軌道衛星の重要部品に注目、精密測定センターで高周波特性分析を深化
低軌道衛星の通信、航法、データ伝送システムにおいて、安定かつ高精度な周波数制御は、信号の同期と通信品質を維持するための重要な要素です。水晶振動子や圧電素子の共振特性は、周波数精度と信号の安定性に直接影響します。
「精密測定センター」に導入された MICROTEST 6632インピーダンスアナライザを活用することで、圧電素子の周波数特性および等価回路の分析が可能となり、Fs、Fp、Qmなどの重要なパラメータを把握できます。これにより、成功大学電機系の学生は、部品レベルでの高周波特性の測定・検証方法を理解し、部品、回路から衛星システムの応用までを結び付ける工学的な分析能力を養うことができます。
産学連携で「設計・測定・分析」を理解する次世代エンジニアを育成
成功大学(NCKU)とMICROTEST益和は、「精密測定センター」の設立を通じて、産業界の測定設備、エンジニアリング手法、実務経験を教育・研究に導入します。学生は実際の装置操作、データ分析、事例研究を通じて、部品、回路からシステム全体に至るまでの一連の検証プロセスを理解し、理論と産業実務の結び付きをさらに深めることができます。
成功大学は、次世代電源技術の発展に伴い、これからのエンジニアには理論的な基礎知識だけでなく、実際の測定、データ分析、システム検証に関する実践的な知識も求められると述べています。今回、MICROTEST益和と共同で「精密測定センター」を設立することで、学生が実践を通じて理論と工学的応用の関係を深く理解し、将来の産業ニーズに応える実践力を身に付けることを目指します。
MICROTEST益和は、精密測定が電子産業において、設計、研究開発から品質検証に至るまでを支える重要な基盤であると述べています。益和の創業者である周銘昌氏は、成功大学電機系の優秀な卒業生です。今回、母校と協力して関連測定設備を寄贈することで、大学の教育・研究を支援するとともに、長年にわたり培ってきた産業界の測定技術とエンジニアリングの経験を教育現場に還元したいと考えています。これにより、学生が産業界の実際のニーズにより近い環境で学び、測定・分析・検証能力を備えたエンジニアへと成長することを期待しています。



世界的な技術競争が激化する中、台湾には先進的な半導体・電子機器の製造能力だけでなく、設計、材料、部品、電源、制御から試験・検証に至るまで、幅広い技術分野を担う人材が求められています。
成功大学(NCKU)とMICROTEST益和は、今回の連携を通じて、教育と産業界の共通ニーズを出発点とし、「正確に測定し、結果を理解し、分析し、検証できる」能力を、次世代のエンジニア・研究開発人材に不可欠な中核能力として育成することを目指しています。
両者は、台湾におけるAI、ハイテク産業、スマート製造の次なる発展に向けて、より強固な技術基盤を築くとともに、産業の未来を支える優れたエンジニア人材の育成に取り組んでいきます。